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BREITLING キャリバー01の魅力

 

こんにちは。

スリークの飯田です。

 

今回は私も大好きなブライトリングの自社ムーブメント『キャリバー01』とクロノグラフのメカニズムについてご紹介したいと思います。

機械なんかよりもデザインが大事!

機械なんかそんなに詳しくわからなくてもいい!

と思っている方も

少しお付き合いいただければと思います。

 

ブライトリングがこのムーブメントにかけた想いを少しでも感じていただけたら嬉しいです。

 

 

 

 

誕生は2009年。

ブライトリング125周年の年に発表されました。

 

欧米は4半世紀毎で節目扱いするので125周年はそれなりに大事な記念年です。

このブライトリング初の完全自社開発のムーブメント【キャリバー01】

 

何がそんなに凄いのか?

 

個人的にはメンテナンス性の高さにあると思っています。

 

このムーブメントの開発は2004年から始まります。

(と、考えるとクロノマットがモデルチェンジして『クロノマットエボリューション』が発表された年から開発が始まっているというのも何となく凄いですよね)

開発のコンセプトは簡単に言うと

 

『壊れにくい。壊れても直しやすい』

 

です。

 

あ、この表現は公式の資料とかに載っているわけではないです。

 

ただ、どのような考えで開発されているか、どのような特徴があるかと考えると

こういうことなんだと思います。

 

このキャリバー01の開発にあたって非常にユニークなのは

ムーブメント設計チームにアフター(修理)部門の責任者を交えて開発にあたったこと。

設計者というのはデザイナーみたいなもの。

その設計者たちに修理の専門家が入って意見を交えての開発。

普通では聞かない組み合わせです。

 

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それではキャリバー01の魅力について書いていきたいと思います。

 

その前にキャリバー01はクロノグラフ(ストップウオッチ付き時計)のムーブメントです。

 

まずはクロノグラフの機構において

作動方式と伝達方式でそれぞれ種類があることについて

軽く覚えておいてください。

 

作動方式・・・ストップウオッチのボタンを押すとどのようになって作動し始めるか

 

伝達方式・・・時計の動力からどうやって力を伝達してストップウオッチの針を動かすか

 

 

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上記のような表に分けることができます。

 

【作動方式】

①コラムホイール

伝統的な作動方式ですね。別名『ピラホイール』とも言います。

パーツ形状がカム式と比較して複雑なので高級クロノグラフの代名詞的な存在でありましたが、現在では各メーカーが作る自社製のクロノグラフだと大体がコラムホイール仕様になっています。

 

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②作動カム

60年代以降、大量生産などに不向きなコラムホイールからコスト面でも抑えられるカム式が多く出てきます。ただし当時はカム式だとクロノグラフのストッパーが付けられていなく、衝撃などで針がずれてしまう可能性もあり、コラムホイールよりも低い扱いを受けていました。

しかし、現在のカム式はストッパーもついているのでコラムホイールと比較してもそん色はなくなっています。

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【伝達方式】

①キャリングアーム

昔の名作ヴィーナス社製のクロノグラフなどはキャリングアームが多かったです。

現在でもゼニスのエルプリメロやオメガの手巻きスピードマスターなどでは採用されています。

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 ②スイングピニオン

バルジュー7750などが採用している為

世に出ているクロノグラフの多くがこのスイングピニオンとなっています。

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③垂直クラッチ

トルクロスが少なく、針飛びがないため

現在の多くの高級機種などには垂直クラッチが採用されています。

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以上、

とりあえずクロノグラフにはこのような作動方式と伝達方式があることを

頭の片隅に置いてもらえればと思います。

 

 

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それでは

ブライトリングのキャリバー01の素晴らしいところから

 

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①自動位置決めリセットハンマー

ストップウオッチを動かして、リセットすると

針が瞬時に0に戻ります。

この0位置に戻すには技術者の微妙な調整が必要で

技術者の腕が重要になってきます。

この特許はそういった技術者個別によって個体差が出ないようにしたもの。

使っているユーザーとしては実感しにくいですが

技術者にとっては嬉しい特許。

 

 

 

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②24時間日付変更可能

これはユーザーにとって一番わかりやすくありがたい部分ではないでしょうか。

機械式時計を持ったことがある人なら一度は聞いたことのある『夜中のカレンダー早送り禁止』

しかも、実際の時刻ではなく、時計の針がさしている時間が20時~3時の間の早送りが禁止なんです。

例えば時計が22時で止まっていて、朝になって時計を使おうと思ってカレンダーを早送りしちゃうと壊れてしまいます。

理由は20時~3時の間はカレンダーの歯車と時刻の歯車がかみ合っている時間帯。カレンダーを早送りしてしまうと時刻の歯車とぶつかって歯が折れたり、ずれてしまったりするんです。

しかし、キャリバー01の場合はどんな時間帯でも早送りできるのです。

 

 

 

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③蹴り上げ式テンプストッパー

これは非常にマニアックな仕様です。逆に言うとマニアックなのでこんなところまでこだわって作っているメーカーなんかありません。

使っているユーザーからしたら殆どこの有難みを実感することはないくらいかもです。

テンプって時計の心臓部でして、そのテンプの振りが時計の時間を刻むリズムを作りだしています。このテンプを止めて、再スタートする際に安定してスタートさせる機構。

 

 

 

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④垂直クラッチ

上記でも触れましたクロノグラフの伝達方式の1つ。

ブライトリングは垂直クラッチを採用。

ストップウオッチを作動していても時間の精度が落ちにくいというのが利点です。

 

 

 

 

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⑤70時間以上パワーリザーブ

これも何気にユーザーにとっては嬉しい部分。

3日間ゼンマイが持つので連休で時計を2日間着けないなんてことがあっても止まらない。

そんな時に何気に便利さを感じます。

最近の自社ムーブはパワーリザーブが3日以上というのが多くなってきているので目新しさがないかもしれませんが

ブライトリングの場合、シングルバレルというのが良い感じです。

多くのブランドはツインバレルと呼ばれるゼンマイが入っている香箱が2つ設けています。

しかし、ブライトリングは1つの香箱で3日間。

一般的にはツインバレルの方がトルクが安定して精度も出やすいと言われていますが

ブライトリングはパーツ数を増やしませんでした。そこはやはりパーツ数が少なければ耐久性も高くなるわけで。

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ここらへんの両方向巻き上げは一般的な感じになってます。

クロノグラフムーブメントの最もポピュラーなバルジュー7750は片巻き上げなので

そういった意味では一般的なクロノグラフとの差別化にはなります。

 

 

 

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『クロノグラフ・ユニット』

そして技術者にとって嬉しいのがこの仕様。

クロノグラフの機構がユニット式になっており、ネジを8本外すだけでクロノグラフユニットが外せて

時計の心臓部までアクセスできてしまうのです。

これがユニット式になっていないと時計の心臓部にアクセスしようと思ったら

クロノグラフ機構をばらしながら進んでいかなくてはならず大変なのです。

 

 

 

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『コラムホイール』

最初にもご紹介しましたがクロノグラフの作動方式には2種類あって、

キャリバー01はコラムホイールを採用しています。

しかも、少しマニアックな話をしますと、

コラムホイールにも『引き型』と『押し型』というのがあります。

ゼニスのエルプリメロなんかは引き型です。

ブライトリングは強度を重視した押し型なのです。しかもパイロットがグローブを嵌めた手でも確実に操作できるように結構押しごたえのある感触。

他のメーカーのコラムホイールはプッシュボタンを押した時の感触は

気持ちいい(?)と思います。

プシュっと押し込む感覚がカム式では感じられない感触。

しかし、ブライトリングはその感触よりも強度、耐久性、確実性を選んでいるあたりが割り切っていて好きです。

 

 

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以上のような素晴らしい箇所が沢山あるキャリバー01。

 

個人的に

時計選びで重要な要素の1つが

『メンテナンス性』

だと思っています。

 

もちろん、デザインや機能、品質、歴史的背景、ストーリー性などなど

色んな要素が時計選びには絡んでくると思いますが

 

もし、

『次の世代にまで渡るくらい時計を一生モノとして使いたい』

と思うのなら間違いなく必要となってくるのがアフターサービス。

 

不慮の故障などで修理が必要になってきたり

定期的なオーバーホールなどのメンテナンスだったり

永く付き合っていく上で必ずお付き合いのあるアフターサービス。

 

その時のことを考えて欲しいわけです。

①修理料金は?(オーバーホールの料金は?)

②オーバーホールを出すまでの期間は?

③保証期間は?

④修理や接客応対のメーカーの対応(姿勢)は?

 

個人的にはこの4つは気になる項目です。

 

は修理の内容にもよりますがオーバーホールは必ず必要なので基本料金は知っておいた方が良いです。自社ムーブメント系や複雑時計は金額が高かったりすることもあります。

時計を買ったはいいけど維持できない!

なんてなってしまったら大変です。

 

これも大事。メーカーはよく3~4年に一度のオーバーホールをお勧めします。

凄く時計を大事に思ってあげていて、金銭的な余裕があるようならばそりゃ3年に一度オーバーホールをした方がいいですよね。

防水パッキンの交換とかもしてくれるし、内部の油の汚れや乾きだけでなく、そういった防水性のテストも行ってくれるので。

あと、同じ時計でも毎日使用しており、常に機械が動いている場合と、たまにしか着用せず機械もその時にしか動かさないと言った場合ではオーバーホール期間も少しずらしてもよさそうです。

あ、ただ、全く動かしていなくても油自体は乾いていきますし、年数が経ってしまうと内部で酸化してパーツに影響を与える場合もあるのでどこかのタイミングではオーバーホールは必要です。

それから振動数などによっても多少違いがありますし、

オメガのコーアクシャルや、ブライトリングのキャリバー01などはオーバーホールを出すタイミングが通常の時計よりも長く期間をあけて良いとメーカーが言っていたりするのでそこらへんもポイントですよね。

自分の欲しいと思った時計のそこらへんの疑問や質問に関してはお店で聞いてみるのも1つです。

 

20年前までは時計の保証期間は1年、永くて2年というのがスタンダードでしたが

今では業界で一番永いのが5年ですね。

ブライトリングのキャリバー01を始め、ロレックスも5年保証にちょっと前からなっています。

他では3年や4年などに延長されるものもありますが

全般的にスタンダードは2年保証ですかね。

保証期間が永い時計はオーバーホール後の修理保証も永かったりする場合がありますので

そこらへんもチェックされたりするのも良いですよ。

修理後(オーバーホール後)の保証期間は1年か2年が多いです。

 

何気に重要だと思うのがこれ。

信頼のおける技術者にお願いしたいし

親身になってくれる技術者にお願いしたいと個人的には思います。

どんなに技術力があっても

このハートの部分が欠けていては自分の大切な時計を預けたくなくなります。

自分がケガをしたり、病気になった時に

どこの病院、どのお医者様にお願いするかと同じような心境です。

ただ、やはり一般客の皆様が直接技術者の方に触れられたり、お願いしたりなどできる機会は

殆どないと思うので、どのような姿勢のブランドかなどを店員に聞いてみたりするのもありかも。

 

ちなみに

スリークではお客様の気持ちを汲み取ってメーカーに代弁できるような姿勢と

メーカーのアフター側が言ってきたことに対して充分お客様の立場として納得できるか

そして納得できたなら、技術者の代わりにお客様に寄り添ってお伝えできるか

そんなことを心がけております。

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以上のような内容に共感をいただけたら

是非時計選びの1つの参考にしていただけたらと思います。

そして、本日はブライトリングのキャリバー01について熱く語らせていただきましたが

ブライトリングというメーカーもキャリバー01という機械も

間違いなく一生モノとして自信を持ってお勧めできるモノです。

色んなブランドの自社ムーブメントが色々と雑誌などに取り上げられており

それぞれに色んな魅力があります。

そのような中においてキャリバー01は派手さはないのですが真面目なムーブメントだと思います。

実用性を考え抜かれたクロノグラフムーブメントだな、と。

そんなわけで最後に

キャリバー01を搭載しているモデルのご紹介をします。

CHRONOMAT44

A011B67PA

44㎜

500M防水

 

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