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【Time is Life】Vol.5 ~『時間』の進む方向~

 

スリーク飯田の不定期連載コラム

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円環ではない時間

 

 2019年もあと2ヶ月ちょっと。

昨年から今年にかけては『平成最後』という言葉がよく聞かれた。そして、令和となった。

来年にはいよいよ東京オリンピックが開催される。

今年は世界陸上もあったし、ラグビーワールドカップも日本国民を熱狂させてくれた。

この様に月日の流れを考えると社会生活をしていく上では季節の行事やイベント、催し物などがあるのは意味のあることだと思う。

 

 年末が近づいていくるとどうしてもそんなことを考えてしまう。

消費税は増税され、1年前とはまた違った今を皆が生活をしている。そして年の瀬には良かった一年、悪かった一年、人それぞれだろうが、それを振り返り、年を越すことでリセットしてまた新たな気持ちで一年を始めようと思えるものだ。

 

 不思議なもので個人的には12月31日の朝目覚めた時から1月1日の朝目覚めるまでの24時間というのは普段の24時間と違った特別な感覚がある。人間の感じる時間的な感覚が1月1日には一年を一周してまた振り出しに戻ったような気にさせるからだ。だから『今年こそは!』とか、そのような発言をしてしまう。

 

 だが、実際の時間の流れというのは誰もが知っているように、未来へとただただ一方に向かって進んで行っているだけ。

決して時を一周したわけではないし、巻き戻ったわけでもない。時間の流れは円環ではないし、過ぎた時間は決して戻らないのだ。

 

 

 

 しかし、人間が管理している『時間』というのは天体の周期だ。

一年は地球が太陽の周りを一周する公転の周期、一日は地球の自転。一ヶ月だって月が地球を回る周期から来ている。

そのように我々が利用している暦や時間というのは天体の『周期』から来ているものなので、1年、1ヶ月、1日、それらが終わる(過ぎる)ごとに人間の時間軸も一周してリセットされたような気になってしまうのも仕方がない。

 

 

 一年では四季の移り変わりがあるし、一日では日の昇り、沈みがある。

このような繰り返す変化を体感しているから一周したように感じるのだろう。

そもそも時計だってアナログ時計は針がクルクル回る(アナログ時計自体が日時計の動きを針で表現したものなので回るのは当然のことなのだが)。

 

だから、アナログの時計を見ていると1日や1時間などでリセットされているような気になれることがあるのかもしれない。

 

 以前、私の知人が西暦表示までされる永久カレンダーの時計を所有した時に『過ぎ去った時間は決して戻らないということを突きつけられている気がして、それが怖くなって手放したことがある』と言っていた。

確かに〇年〇月〇日〇時〇分〇秒と表示する永久カレンダーは決して過去を表示することはない。

私達は時間を大切にしなければいけないし、真摯に向き合っていかなければならない。

過ぎ去った時間は戻らないからこそ『今』を大切に過ごしたい。しかしながら円環で動くアナログの時計を見ながら、時にはリセットされたような気持ちになってもいいのではないかと思ったりするのである。

 

 

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 ピックアップモデル

 

 

スピードマスター ムーンフェイズ クロノグラフ

Ref:304.30.44.52.01.001

44.25㎜

100M防水

1,160,0000円+税

 

 

 映画『ファースト・マン』が今年2月に日本で公開さた。

1969年7月20日、ニール・アームストロング船長らアポロ11号のクルー達が人類初となる月面着陸を成功させた。

そのアームストロング船長の半生を描いた物語である。

人類の偉業から今年で50周年を迎えたわけだが、当時から変わらず今もなおNASAの宇宙飛行士が装備品として着用しているのがオメガのスピードマスターである。

 

 市販されているものとNASAの宇宙飛行士が使っているものが全く同じなのも、スピードマスターがカルトウオッチとして昔から根強くファンに支持されている所以でもある。

 

 

 そんなスピードマスターのシリーズの中にムーンフェイズが付いたモデルがある。

ムーンフェイズとは月齢(月の満ち欠け)を表示する機能が付いたものである。

昔の人々にとっては月の満ち欠けが1ヶ月という単位であり、暦としてムーンフェイズの機能を必要とするのは必然であった。

 

 また、月は潮汐をはじめ、自然現象や動物の行動や生理現象との結びつきがあり、人間の生活にも深く根を下ろしていた。

現在となってはそのような機能的な必要性も少なくなったが、デザイン的な魅力として人気を得ている。

スピードマスターは唯一月に行ったことのある時計であるからこそ、その時計にムーンフェイズが付いたモデルというのもロマンがあるのではないだろうか。

盤面に浮かび上がる月を見て遠く離れた月へ想いを馳せ、しばし時を忘れ宇宙の神秘に魅了されてみるのもいいものである。

 

 

なお、このムーンフェイズの月の上には目を凝らして見てみると宇宙飛行士の足跡が描かれている。

そんな演出もにくい1本だ。

 

 

 

 

=Time is Life= 

過去記事一覧はコチラ⇒http://www.threec.jp/magazine/3615

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