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【カルティエとローマ数字】

2018.12.07

こんにちは。

 

スリークの飯田です。

 

本日よりスリーク新潟ではカルティエのフェアが始まっているということで、今日はカルティエについて書きたいと思います!

 

ちょっとだけ深堀です。

 

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時計のローマ数字

 

カルティエの時計と言って一番に思い浮かぶ特徴は『ローマ数字のインデックス』である。

 

時計のインデックスに使われる数字にはアラビア数字とローマ数字があるが、

 

簡単に言ってしまうとローマ数字は貴族やブルジョアの数字

 

アラビア数字は庶民の数字なのだ。

 

 

 

どういうことかと言うと、ヨーロッパでは古代ギリシャやローマを範にした文明の発展をしてきたわけで、おのずとローマ数字が使われてきた。

 

当然のように時刻を表す数字にもローマ数字が持ち入れられた。

 

13世紀から14世紀にかけてはヨーロッパでは多くの時計台が作られる。

 

↑有名なベルンの時計塔 13世紀初頭に建てられた。

 

街に住む人々はこれらの時計を見て時間認識をするようになる。

 

一方、ヨーロッパでローマ数字に置き換わりアラビア数字が定着したのが16世紀中ごろと言われている。

 

ちなみにローマ数字には『0』を表す文字がない。概念がないのだ。

 

だから、『算用数字』と言われるように、数学的な実用性の高さからもアラビア数字は商人たちの間で歓迎されて定着していったのが伺える。

 

 

 

 

時計においてはどうか?

 

時計の表記に『0』は必要ないのだが、ローマ数字では『Ⅰ』に『Ⅰ』を足して『Ⅱ』と表記するように基本的には加算して表記していた為、

 

読み取りやすさといった点ではアラビア数字の方が視認性が高く実用的であった。

 

 

 

大戦中に作られた軍用時計にはアラビア数字が用いれた物ばかりなのもその為である。

 

 

 

ではローマ数字表記の時計とはどういったものなのか?

 

それは時間を読み取るのに実用性を必要としていない階級の人達の為の物であった。

 

貴族階級の人達にとっては時計で時刻を知る必要などなかった。時間に追われる生活とは無縁であり、おつきの人間が時間を知らせてくれる。

 

貴族にとって時計とは装飾具の1つであり、ステータスシンボルであったのだ。

 

だからこそ、ヨーロッパでは伝統的なローマ数字の時計が彼らに好まれていたのだ。

 

 

 

そのような貴族階級の人々を顧客に持つカルティエがローマ数字を用いたのも至極当然のことである。

 

 

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サントスの登場

 

カルティエ初の角型時計として有名なのがサントスである。

 

↑1915年のサントス

 

サントスのプロタイプが完成されたのが1904年。

 

ルイ・カルティエの友人であり、飛行家のアルベルト・サントス‐デュモンが飛行船の操作中に懐中時計を見るのが不便と漏らしたのがきっかけである。

 

ルイ・カルティエはサントスの為にリストをウオッチを作ることとなる。

 

 

プロトタイプが完成したのが1904年と言われているが、サントス自身が身に着けて飛行時間をカウントしたという記録が残るのは1906年のこと。

 

そして、この時計は1911年に市販されている

 

サントスは『腕に巻き着けることを前提とした【腕時計】として世界で初めてデザインされた時計』と言われている。

 

当時は懐中時計にベルトを付けて腕に巻き着けるような腕時計は存在したが、腕時計専用としてのデザインとしては世界初だと。

 

Omega 1st Wristwatch

↑オメガの腕時計(1900年)

 

 

ちなみに装飾具として時計が付いたブレスレットも存在していたが、それは『腕時計』としてではなく

 

あくまでも『ブレスレット』として作られていたので、

 

明確な目的を持った腕に巻く時計としてはやはり初の腕時計だったのではないだろうか。

 

 

 

 

サントス ドゥ カルティエ(LM)

Ref:WSSA0009

39.8㎜

10気圧防水

799,200円

 

現行のサントスは今年2018年にモデルチェンジし、新作として登場している。

 

オリジナルの頃からの変わらない『カルティエ スタイル』を継承しながらも

 

より現代的で、都会的な印象を受けるモデルとなった。

 

 

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タンクの登場

 

 

サントスは飛行船(飛行機)乗りの為に作られたサントスはその出自はスポーツウオッチとしての先駆け的存在であった。

 

しかし、その後サントスは豊富なバリエーションを展開し、ドレスウオッチに仕立てた物なども生まれてきている。

 

 

この1911年に市販が開始されたサントスの8年後、1919年には伝説の時計『タンク』が発売される(デザインは1917年)。

 

↑初期の頃のタンク

 

タンクのデザインは戦車(=タンク)をモチーフにしたことは有名である。

 

 

 

↑マークⅠ型戦車

 

カルティエの公式資料にはイギリス軍の菱型戦車(マークⅠ型)の図面があげられている。

 

ただ、一説にはタンクがデザインされたのと同年1917年にルノーが完成させた軽戦車がモチーフだったという説もある。

 

↑ルノー軽戦車

 

ただ、どちらの戦車がモチーフなったかは別にしても、

 

キャタピラをケースサイドに見立てて時計をデザインしており、

 

その発想は斬新なものであった。

 

↑タンクの素描

上が戦車のキャタピラ、下がタンクのデザイン。

 

タンクは当時流行し始めていたアールデコ調の、直線を強調したデザインとなっていた。

 

そんなタンクのデザインの優れているのが

 

①風防の角が四角くなっていること

 

②タンクの特徴は風防の幅とベルトの幅が同じこと

 

である。

 

 

 

サントスと比較しても違いは一目瞭然である。

 

①これは当時は風防の破損を防ぐ為に他社製品も含めて角を丸くしていた。

 

そのような点を考えると真のスクエア時計としてはタンクが最初の時計だったとも言える。

 

また、②に関しては1913年にはカルティエは他の製品で試みていた。

 

つまり、1906年(1904年)のサントスから始まった『腕時計』のデザインに対してのカルティエの挑戦がこの1917年のタンクで結実したのである。

 

 

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現行のタンク

 

現行のタンクのコレクションは

■タンク ルイ・カルティエ

■タンク アングレース

■タンク アメリカン

■タンク フランセーズ

■タンク ソロ

■タンク サントレ

■タンク MC

という豊富なバリエーションが揃っている。

 

それぞれが独立したデザインコードを持ちながらも、カルティエスタイル、タンクスタイルをちゃんと継承している。

 

細かくはブランドHPを見てもらえたら数多くの品番が掲載されている。

 

ここでは、一部をご紹介。

 

 

 

 

タンク ルイ カルティエ ウォッチ LM、18K イエローゴールド、レザー、サファイア

タンク・ルイ・カルティエ

品番: W1529756
¥1,155,600
消費税込
タンクシリーズの一番中心的なモデル。
メンズ、レディースがあり、機械式とクォーツもある。
 
 
タンク ソロ ウォッチ LM、スティール、レザー
タンク・ソロ
品番: WSTA0028
¥294,300
消費税込
 
伝統的なタンクのスタイルを持ちながらも
比較的手に入れやすい価格設定で人気のシリーズ。
メンズ、レディースもあり、ベルトの色合いを豊富なバリエーションから選べる
 
 
 
 
タンク アメリカン ウォッチ SM、スティール、レザー
品番: WSTA0016
¥464,400
消費税込
エレガントな細長いデザインが特徴。
メンズ、レディースがあるが、ミニサイズという極小モデルも存在。
タンクの中でも最もエレガントなモデル
 
 
タンク フランセーズ ウォッチ SM、18K イエローゴールド、スティール
品番: W51007Q4
¥615,600
消費税込
 
女性に一番人気の高いタンク。
クラシカルなタンクをモダンにデザインしたモデル。
ブレスレット仕様にすることで、タンクのもつクラシックにスポーティーさとエレガントさを融合させたモデル。
 
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時計のローマ数字『4』のこと。

 
ローマ数字の表記は
 
このようになっている。
 
『Ⅰ』を基準に加算して増やしてくので、3なら『Ⅰ』を3つ。
 
ただ、4は『Ⅴ(5)』から『Ⅰ(1)』を引いた書き方をするので『Ⅳ』となる。
 
同様に9も10(Ⅹ)から1を引いた表記なので『Ⅸ』となる。
 
 
 
 
で、
 
 
カルティエの時計を見てみると・・・
 
 
4時の『4』は『Ⅳ』ではなく、『ⅠⅠⅠⅠ』なんですよ。
 
 
これはカルティエに限らず、伝統的な時計のスタイルなんです。
 
ですので、他の歴史ある時計ブランドのローマ数字を見るとⅣとは表記されていないんです。
 
なぜか?
色々と諸説があります。
一部をあげると
 

■フランスのシャルルⅤ世のわがまま説■

フランスのシャルルⅤ世が自身の”V(5)から1を引く”のは縁起が悪いと考え「IIII」と表記させたという説

 

■バランス説

「IIII」とした方が、文字盤の対象の位置にある「Ⅷ」と文字バランスが良いという説。

 

 

■ローマ神話の最高神「Jupiter」冒涜回避説

ラテン語では「I」と「J」、「U」と「V」の区別がなく「Jupiter(ジュピター)」の省略形が「JU」であり、ローマ数字の「IV」と同じになるという説

 

他にも色々とあるのだが、

ヨーロッパでは17世紀頃までローマ数字を減算ではなく加算のみで表記することが主流だったようである。

だとすれば4をⅠⅠⅠⅠと表記したのは分かるが9はⅨと表記してあるので、説明がつかない。。。。

 

どうしてこうなったのか?

 

どうでもいいことなのかもしれないが個人的には昔から興味深いナゾなのである。。。。

 

 

 

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